システム運用エンジニアと保守作業の違い
システムエンジニアの仕事は、大別すると運用と保守があります。どちらもサーバーやメンテナンスの正常な稼働に必須の作業ですが、目的に大きな違いがあります。
システム運用は、常に正常な状態で稼働するように監視するのが主な作業内容であり、データのバックアップや不正アクセスの防止などトラブルを未然に防ぐことを主軸にしています。
一方で、システム保守はバグの修正やシステムダウンの原因の特定などトラブルへの対処を目的とした作業です。システム運用は日々の監視を滞りなく行うルーティンワークであり、システム保守は不測の事態に対処する突発的な仕事と言えます。
しかし、IT業界においては運用と保守に明確な区切りが設けられていないのも事実です。
システムエンジニアと称される仕事は大抵、運用と保守の作業を兼任しています。普段は運用業務に従事し、トラブルが生じた際は原因の特定と対処に努めるのが普通です。
しかし、本来なら別扱いの作業を一人で兼任することで新たな問題が生じることも無視できません。突発的な保守作業に時間を割かれ、運用業務に支障が及ぶケースがあります。
仕事の質が低下し、大きなトラブルに見舞われる恐れがありますが、そのような事態に陥るのはエンジニアに仕事を任せている雇用主側が、運用と保守を棲み分けできていないことも大きな理由と言えます。エンジニアが質の高い仕事を行うには、運用と保守の違いを正しく理解した上で自身の役割を明確に示し、業務に専念できる環境を作ることが重要です。